道具たち:こだし(第一回)

 あれこれ積もっている振替分の消化でお休みの木曜日。雪も一息ついているので、新庄のふる里歴史センターの「生きる民具 民藝への潮流」という企画展を見に行ってきた。企画展自体はこぢんまりとしたものだったが、同じ建物の地階にある「雪国民俗館」は、いろいろな民具が、大量に!収蔵されていて、楽しいところです。新庄には、かって民藝運動の拠点のひとつでもあった積雪地方農村経済調査所(現雪の里情報館)もあるのですが、当時の雰囲気を味わいたかったな。
それにしても何だ?という「コダシハケゴ」!?。ということで、冬仕事に道具の研究でもしてみたいと思います。

  さて、今回は「コダシ」に注目したいと思います。山形にいる時は、山菜採りの時などに腰につける籠は、「ハケゴ」という名称で呼ばれていたのですが、東成瀬村では「コダシ/コダス」。
昭和41年(1966年)発行の「東成瀬の民俗」でも「山へ持っていく袋には、ブドウやアケビのつるで編んだタテコダス(手倉)(大柳「タテゴナシ」)、むしろで編んだムシロコダシなどがある・・・また、荷物を背負うときは、背中あてをつける」と記されている(P34)
 今日(2023/1/13)話を聞いたところでは、山菜などを採るときに腰につけるのが「コダシ」、背負って使うのが、「タテコダシ(タテコダス)」あるいは「ナガタデ」と呼ぶとのことであった。9月のキノコ採りの際に聞いた時も話も同じだった。 
 
 で、とりあえず、どこで「コダシ」って呼ばれているのか、インターネットで調べてみると、どうやら秋田と青森が中心のようです。それに加えて、北海道でも「コダシ」が使われているようで、アイヌ語の方言という記述も見つかります。
 岩手に行くと、「コダシ」と「ハケゴ」の両方が出てくるのですが、竹製の腰籠、「ツボケ」というのもあるようです。海辺で「布海苔」の採集に「コダシ」を使っている、というところもあるようで、山だけではないようです。
 
 山形は、基本的に「ハケゴ」で、福島に行くと、会津方面でもハケゴ。背中に背負うのは「叺(かます)」だったりするよう。叺は「ワラコダス/ムシロコダス」っていうことになるのだろうか。その他、「スカリ(縄籠)」というのがあったり、腰籠だったり、背負籠だったりするようです。(会津方面もはまると大変なことになる・・・)

 というところで、今日はここまで。資料へのリンクなどは、後日まとめて整理した上で、アップします。

文献、サイトなどコダシ関連情報はこちら

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