股引網で鮭(よう)を取る

P1190594

今はナイロン・テグスの刺し網が使われていますが、20年ぐらい前までは鮭川での鮭漁には「股引網(もんぺ網/袋網)」が使われていました。
股引網は、股引のような細長い袋が8つほどついている袋状の網を川に仕掛けて鮭をとる仕組みになっています。今の網のように編み目の間に魚がはまって捕れるような網ではなく、袋の中に落ち込むような仕掛けで鮭をとります。また袋状になっている入り口を鮭が入るように開いておくために棒を挟んでから仕掛けます。

またこの網は遡上途中の鮭を捕まえるのではなく、遡上し、産卵場所(ほり/ホリバ)が決まって、産卵行動に入っている鮭を捕まえるための仕掛けとなっています。ホリバに仕掛けるか、カカドと呼ばれる魚の溜まる場所を作り、そこに仕掛けるような漁となっていました。ですから、産卵行動でくたびれた鮭が入ることとなります。

この股引網に落ち葉などが溜まると鮭が入らないため、アジゴヤ(アジヤ)を作って泊まり込みで漁をしていたということです。このアジゴヤは漁のためだけではなく、お酒を飲んで語る、たまり場でもあったようです。

捕れる鮭の数については、どうも地域差や個人の経験などで大きな違いがあるようで、一シーズン15匹ぐらいという話しから100匹、200匹という話しまで、幅が広い数字が上げられます。

また股引網には、小袋(股引部分)の下が結ばれていた仕様もあるようで、その場合には、網を上げなくても、入っていた小袋だけを上げて、魚を出して、また縛るというやり方もあったようです。(あお)

カテゴリー: パーマリンク