ゆっくりと

町を歩いていると買い物をする高齢者の姿をよく見かける。杖をついていた
り、買い物カートを押していたり。高齢者の存在によって、町全体が高齢者モー
ドに入っていくように感じる。たぶんこれはいいことなのだろう。せかせかと
生きてきた日本社会のペースがゆったりとしたものになってくるのである。

同時にこれは新しい社会なのだという認識も必要だろう。これまでのように、
企業戦士だけがせかせかと道を急ぎ、満員電車に乗り込んで、会社に行くとい
う社会ではなくなるのである。「一億総活躍」社会では、高齢者も駅に向かい、
ゆっくりとエスカレーターに乗り込み・・・満員電車に乗ろうものなら、急病で倒
れてしまうかもしれない。

みなが活躍するためには、みながそれぞれのペースで生きられる社会を作ら
なければならない。高齢者も(元)病人もせっせと働け!みたいな号令かけたって、
社会は思った通りには進みはしない。生産性が落ちたって、ゆっくり歩けばい
い。エスカレーターだって、せかせかかけのぼっちゃいけないはずなんだ。

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