はんこの見直しを考える

はんこの廃止というか、行政の手続きの中での押印の廃止が進みつつあるようだが、一体、何がどう進みつつあるのだろうか。あまりに急に進めている観があり、代替策というのが追いついているのだろうかと心配になってしまう。
押印をやめてサインにしましたというだけなら、あまり変化の意味があるとは思えないし、手続き全体を見直すのならそんなに急にはできないと思うし、一体どうなっているのだろうか?ほとんど姿の見えない変化について、どこかの省庁に潜り込んでレポートしてもらえないものだろうか?

「はんこやめてチェック欄にチェックするだけだから、責任軽くなったかな」
「そもそも枠がなくなって決裁しなくて済むようになってね・・・」
「公文書作るのやめれば、他の対策なんて考えなくて済むから」
近頃の公文書管理の不透明さを思うと、こんな風に妙に勘ぐってしまうのだけど。

そこで「印鑑 手続き 廃止 国家公務員」という言葉で検索し、出てきたサイトから探ってみると次のようなサイトが見つかった。

「旅費・会計等業務効率化推進会議幹事会(第4回)議事次第」 日時:令和2年6月18日(木)
内閣官房の中のこのサイトを見ると、行政機関の内部手続きにおける押印の廃止については、既に検討が進んでいたことがわかる。まあ、それをうまいこと売り込んでいるんだな・・・という発見が一つ。

それにくわえて例えばこんなところも出てくる。

資料3-2: 各府省における内部手続の見直し事例(人事関係)
この中で、さらっと「利害関係者との飲食届出書(押印)」というのが出てくる。見直し案としては「様式中の押印箇所を削除し、電子データのみでのやり取りを可能とする対応を予定」しているんだとのこと。
こういう見直しを、「電子データのやり取り」だけにしたときに、公的記録としての保存がどうなるのか。そもそも「重要な!?」利害関係者との飲食については届出書類など作られていないのかもしれないが・・・

「はんこ廃止」議論は、適切な公文書作成・管理のあり方についての検討と平行して進めてもらいたいものだと考えるのだが。